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『未解決 封印された五つの捜査報告』(一橋文哉 著) [本]

『未解決』というタイトルの中に含まれている5つの事件なんですが、明らかに犯人が未だに判明していないものはそうなんでしょうけれど、キッチリと犯人が既に逮捕され既に刑期を終えて事件としての終結を迎えているのでは?とみえるものも含まれています。
解決したかに思われる事件も、その裏側にまだまだ解明されていない「闇」が残されているということなんでしょうね~。

普通に暮らしている生活の中のちょっとした偶然や何かの拍子に巻き込まれてしまうかもしれないという恐ろしさと、やっぱり金銭絡みの事件の多さを改めて感じました。

・住友銀行名古屋支店長射殺事件
・八王子スーパー強盗殺人事件
・豊田商事会長惨殺事件
・ライブドア「懐刀」怪死事件
・神戸連続児童殺傷事件

新聞やニュースでは報道されなかったことが語られていて、気味の悪さで後味は・・・悪いです。。。


未解決―封印された五つの捜査報告 (新潮文庫)

未解決―封印された五つの捜査報告 (新潮文庫)

  • 作者: 一橋 文哉
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/10/28
  • メディア: 文庫



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『誰か Somebody』(宮部みゆき著) [本]

さて、今度は小説を読みたい!ということで、書店でウロウロ♪
平積みされている『名もなき毒』(宮部みゆき著)に手を伸ばして・・・よくよく見るとどうやらこの『誰か』のシリーズ本らしいことに気付きました。
ありゃ・・・また『模倣犯』と『楽園』の轍を踏んでしまうところでした(笑)。
で、今回はちゃんと順番を守って『誰か』から読んでみた訳です♪

この物語の中では、派手な事件は起こりません。
警察機構の内幕も出て来ませんし、名探偵ばりの敏腕な刑事さんも登場しません。
自転車事故によって不慮の死を遂げた父親の人生を本にして世に出すことによって、名乗り出ない「犯人」に立ち切った人生の重みを知らしめようという姉妹の手伝いをすることになった、極々平凡ないち会社員が主人公です。
とにかく、ストーリーが地味です(笑)。
読み進めて行っても、いったいこの単調な物語の終着点はどこなんだろうか?と、思ってしまうほどでした。

ただ、親と雖も人の人生を辿ってみるということの大変さは強く伝わってくるお話でした。

本当の終盤になって、急にあれやこれやとゴロゴロと新展開が転がり出て、昔読んだ松本清張の小説で最後になって「実は、こんな人物がいて・・・」と、犯人が湧き出るように登場して来て
「なんでやねんっ!今頃になって、出て来るか?!」と、思わず突っ込んでしまったことを思い出してしまいました(笑)。
ちょっと、シリーズの『名もなき毒』に手を伸ばすべきか、悩んでいるところです(笑)。


誰か―Somebody (文春文庫)

誰か―Somebody (文春文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/12/06
  • メディア: 文庫



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『河内源氏-頼朝を生んだ武士本流-』(元木泰雄 著) [本]

ちょっとばかり専門書の領域に踏み込んでいます。
来年の大河ドラマは「平 清盛」。へそ曲がり気味ですが、私は何と言っても源氏派、そして頼朝派なものでタイトルだけで飛びついてしまいました♪

清和源氏・桓武平氏と、ここまでは教科書のレベルで知られているところですが、その清和源氏も満仲から下ると頼光(摂津源氏)、頼親(大和源氏)、頼信(河内源氏)と大きく分かれて来ます。その内の「河内源氏」が、頼義(前九年の戦)→義家(後三年の戦)→義親→為義→為朝頼朝と歴史に大きく関わって行きます。

そこらへんのお話をたっぷりと知ることが出来ます♪
系図だけを眺めていると、ただ次々と世代交代が行われていったように思ってしまいますが、かなり激しい浮き沈みを繰り返しながら源氏の本流となっていったことが分かりビックリでした。
特に、きっと大河ドラマ「平 清盛」でも描かれると思われる「保元の乱」「平治の乱」辺りの朝廷・平氏・源氏のグダグダの騒乱は落ち着いて見ていないと、おいてけぼりにされそうです(笑)。





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『鬼の跫音』(道尾 秀介著) [本]

ちょっと軽く読めて本の厚さも程々に・・・と、新幹線に乗る前に急遽求めました♪
久しぶりの短編集です。

6つのお話全く別のものなのですが、それぞれの物語の中に「S」という呼称の人物が登場して来ます。と言っても、「S」は同一人物ではありません。・・・いや、ないと思うのですがちょっと引っかかるところもあるのですよね~。
ちょっとしたホラーなお話。そして、ラストにはそれぞれひと捻りが用意されています。
鬼の跫音と言っても鬼が出て来る訳ではなく、ごく平凡な男や少年や・・・普通の生活を送っているうちに日常のちょっとした陥穽に落ちてしまうと・・・というお話です。





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『サイレント・ブラッド』(北林一光 著) [本]

「『ファントム・ピークス』が面白かった方、ぜひ読んでください!」
という帯の言葉に素直に従ってみました(笑)。

こちらも舞台は長野県大町市という山岳地帯。
行方不明になっていた父の車が、乗り捨てられていたのを発見されたという警察からの知らせを受けて、今まで無縁の土地だった大町へ向かった大学生・一成。
偶然、そこで出会った地元の民宿の娘の深雪と共にその地で父の行方を捜すことになります。
オババと呼ばれるある種の霊能力者や山の民と言ってもいいような、特殊能力に秀でたトンチの協力を仰ぎながら、少しずつ父の足取りを掴んでいくのですが、徐々に明らかになって来たのは祖父の代から始まる全く知らなかったその土地との波乱にとんだ関わりでした。

とにかく山の自然に関わる描写がとても生き生きしていて、風景が浮かんでくるようでした。
沢登りのシーンが後半の山場なのですが、水音まで響いて来そうな臨場感あるれるものです。きっと、早世されなかったら次々とこんなすばらしい山の空気を感じさせてくれる作品を発表し続けてくれたのだろうなぁ~と、思いました。
お話としては、現実の事件と霊的なお話がちょっとこじつけ感が漂って・・・少々ブレてしまったようなイメージが残ってしまいましたけれど~。


サイレント・ブラッド (角川文庫)

サイレント・ブラッド (角川文庫)

  • 作者: 北林 一光
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2011/08/25
  • メディア: 文庫



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『謎解きはディナーのあとで』(東川篤哉 著) [本]

書店の特等席で絶賛発売中(笑)!
とりあえずドラマも視聴しているので、原作を読んでみました♪

短編集で本当に1時間ドラマ(引っ張れば2時間ドラマでも可)に最適な作りとなっています。
事件勃発→国立署の風祭警部と宝生刑事コンビが捜査→関係者の供述→宝生家の執事・影山に捜査情報を話す→影山の推理によって事件解決。
多少の変化はあっても、基本この流れです。
ちょっととぼけた風祭警部と宝生刑事の会話で笑いを取りつつ、ラストは執事影山の辛辣な言葉にいらつきながらも結局は頼ってしまうお嬢様刑事のお話。
トリックは、そんなに難しくないので
「お嬢様はアホでございますか?」
という、執事の気持ちも分かります(笑)。

うぅ~~ん、短編ミステリーとしてはまぁ面白いです。

あっ!ドラマみたいに捜査中のあちこちに変装した執事は登場しません(笑)。あれは、櫻井くんのサービスカットですね(笑)。


謎解きはディナーのあとで

謎解きはディナーのあとで

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/09/02
  • メディア: 単行本



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『奥州藤原氏五代 みちのくが一つになった時代』(大矢邦宣著) [本]

奥州藤原氏、一般的に知られているのが「三代」。藤原清衡、基衡、秀衡の三人のことです。
ちょっと頑張って藤原氏最後の当主、泰衡を加えて「四代」。大体がそこまでなんですが、そこへ清衡の父である経清を初代として加えることによって、藤原氏五代と数えてくれています。
そして、その経清以前の奥州の歴史を語らなければ、清衡の創り出した平泉文化の意味を伝えることが出来ない!と、エミシの歴史をちゃんと語ってくれています。
『源氏物語』、藤原道長や頼通らが都で栄華を誇りながら暮らしていた同時期に、北の果てでどんなことが起こっていたのかをちゃんと取り上げてくれています!

高い文化を持つということで平和を手に入れようとした清衡のすばらしさを改めて思いました。
そして、文中で何度も繰り返される
「源氏はしつこい」
という表現には、笑ってしまいました。確かに、源氏の奥州への執着の大きさには驚きます(笑)。源頼朝が、奥州攻めに於いて過去の前九年の合戦の折の源頼義の行動や日付に倣おうとする偏執的な様子には、怖さすら感じてしまいます。


ちょうど10年前に刊行された本でして、これから世界遺産への登録を目指すぞ!という熱い想いもこめられているのを感じました。

・・・この本を知ったのは先に「歴史秘話 ヒストリア」(NHK)での平泉の放送回HPに参考資料として紹介されているのを見たからなんですが・・・だったら、もっと丁寧に番組を作ってくれればいいのに~~!と、思ってしまいました(笑)。


奥州藤原氏五代―みちのくが一つになった時代

奥州藤原氏五代―みちのくが一つになった時代

  • 作者: 大矢 邦宣
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 単行本



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『魔術はささやく』(宮部みゆき著) [本]

何となく宮部みゆきモードになった勢いで、読んでみました。
新聞の三面に小さく載った女性の飛び降り自殺記事。そして次は、地下鉄に飛びこんでの自殺。三人目はタクシーの前に突然飛び出して・・・。
何の関係も無いように思われた事件でした。
タクシーの運転手の家に身を寄せている高校生が、事故の真相を追うことによって知らず知らずのうちに事件の核心に迫って行きます。
やがてそれらの事件の繋がりが明らかになって行った時に、また新たな犠牲者が出ます。
彼は、事件を追うことによって、やがてそれは自分の生い立ちに関わる真実とも対峙することになってしまうとも知らないで・・・。

とにかく、主人公の高校生男子・守が、高校生とは思えないような冷静さを常に持っているのにビックリです。頭脳も明晰!と、いっても彼がホームズばりに事件を推理して解決していく・・・という訳ではありません。
大人の助けや助言も要所要所であります。
ただ一つ、彼が身につけた特殊な技術が、彼の行動を助けてくれることになるのですが・・・ちょっとそこらへんは、あまりの都合良さに現実離れを感じてしまいますけれどね(笑)。
ラストに用意されていたちょっとしたどんでん返しは、「恐らく・・・」と思っていた所を意表を突かれて、驚きでした(笑)。

このお話の中でも、宮部作品にチョコチョコと登場する特殊な力といってもいいような力のひとつが大きなポイントなってくるのですが、人間の精神科学の怖さを考えてしまう結末です。





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『模倣犯』(宮部みゆき著) [本]

『楽園』を読んで、これは『模倣犯』も読まなきゃだめだなぁ~と思いまして、遅れ馳せながらやっと手にしました。確か、映画化もされていて随分とCMなんかが賑やかだった時期があった記憶もあるのですが、主演の中居くんの演技がちょっと・・・(汗)なもんで、食わず嫌いに徹して原作も映画も避けていました。

読了してから、映画版の情報をちょっとネットで探ってみると・・・かなり凄い映画だったようですね(笑)。
観なくて良かったっ!


さて『模倣犯』!
文庫本で全5巻のなかなかの大作。久々の長編小説でした。
でも・・・面白い!読み始めてすぐにドップリと嵌ってしまいました。
たくさんの登場人物がワサワサと動き回るのですが混乱も無く、やんわりと張られている伏線もうまく機能しています。

遺体の一部が発見されたことから始まる事件の発覚と、マスコミを利用する犯人と犠牲者の家族の動向を語り続ける1部。
事故死した若者が犯人と目されてそれによって、犠牲者家族と犯人とされる者の家族のお話。そして、くすぶり続ける謎に気づき始める人達の動きの2部。
ど~~ん!と打ち上げられた花火のようにマスコミの寵児として登場した・・・青年。爽やかに論ぜられる新しい事件の視点と物語の終結の3部。

読者は、犯人を早い段階で知ってしまい、いかにして警察や登場人物達がそれに気づいていくのかという過程をハラハラしながら読み進めるタイプの物語なんですが、本当に次のページが気になってしまいました(笑)。
まぁ、ラストの犯人発覚のシーンが重厚な物語にしては「えぇ~~!」そんなに軽くていいんですか?と突っ込みたくなったのにはちょっと笑えましたけれど。
そして、『模倣犯』というタイトルが何故ついたのか?という疑問が晴れるのがそのラストシーンでした(笑)。

なにより、読者に媚びない切り捨てたようなラストがお気に入りなお話でした。


模倣犯1 (新潮文庫)

模倣犯1 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/26
  • メディア: 文庫



模倣犯〈5〉 (新潮文庫)

模倣犯〈5〉 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 文庫



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『江戸・東京 歴史ミステリーを歩く』(三津田信三 編) [本]

「妖都・東京を巡る魔界ツアーへようこそ」
こんな帯に書かれた誘い文句につられて手にとってしまいました(笑)。

将門伝説、四谷怪談といった定番なお話から始まって、江戸の捕物と拷問の世界といったちょっと敷居の高さを感じてしまうお話。
先日「ヒストリア」(NHK)で取り上げられていた井上円了…妖怪博士の妖怪庭園を歩くレポ。
乱歩の作品について・・・。

現代のお話としては、大江戸線の謎(笑)。不可解なそのルートについて。

等など、多岐にわたっての「謎」や不思議なお話がテーマになっています。
なるほどなぁ~と感心したり、また機会があれば訪ねてみたい場所ができたりと、軽く読めました♪





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