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あれから20年 [独り言]

20歳という歳を重ねてしまったわが身を思うと、随分と時間が経ったものだと溜息の一つも出てしまうのですが・・・。

あの朝、飼い始めて3カ月も経っていないまだ仔猫だったさくらにその頃のお約束となっていた
「起きてよ~~!ごはん頂戴よ~!」と、顔をチョンチョンとつつかれての目覚め。
はいはい、ごはんあげようね~。
・・・お弁当作りの為に前夜セットしていた炊飯器からお米の炊ける匂いが漂い始めていました。
掛け布団の上に置いていたカーディガンをパジャマの上に羽織って、さくらと一緒に数歩。
丁度、台所の入口に立った時にガタガタと始まった揺れ!
地震だ・・・と、思った時にもまだあれほどのことが起こるとは思っていませんでした。
ガタガタとした揺れから次は大きく振り子のように南北に振り回され、その度に食器棚から落ちて割れる音が定期的に響き、最初は点いていた明かりもブチっといった感じで停電。
壁にしがみついて、暗闇の中でいろんなものが倒れ砕ける音だけを聞いていました。

食器が割れる →さくらは裸足 →足の裏を切ってしまう

この思考が働いたもので、
「さくら~~!さくら~~!」と、呼び続けていた私。

後になって、家族の名前を呼ばないでネコの名前ばかり呼んでいたと非難されるはめに(笑)。

脱衣所の洗濯機の上にセットしていた乾燥機がサイコロのように転がって廊下に飛び出し、ドアをふさいでいたのを何とか押しのけて玄関にたどり着き扉を開けました。洗濯機は割れていました。
同じく脱衣所の奥のクローゼット内にあった夜間電力の給湯タンクがクローゼットを破って倒れ、家中流れ出たお湯でビチャビチャ!
ピアノも移動していました。電気スタンドは壁に刺さっていました。
冷蔵庫は中身が全て飛び出し、卵などは向かい側のガスレンジの上で割れていました。
食器棚の皿は全て落ちて割れ、何故かガラス扉は無傷で、きっちり閉まっていたのが不思議でした。

タンスなど家具、家電、本棚・・・倒れる可能性のあるもの全て倒れ、押し入れはもとより上の袋戸棚の中身まで全て吹っ飛んでいました。

私のお布団の上には本棚、テレビが倒れ天井から落下したガラス製の電燈が刺さっていました。

さくらが起こしてくれなかったら、きっとケガをしていただろうなぁ~と。


20年経っても、あの瞬間のことは鮮明に蘇って来ます。

非常灯の明かりに助けられて、非常ベルが虚しく響く中をマンションから外に出ながら

「きっと、何年かしたらあの時は本当に大変だったなぁ~って思うのだろうなぁ~。」
と、妙に冷静に考えていました。


夜が更けて来ました。
20年前の今夜は、本当に月明かりが冴えて電気の無い街を明るく照らしてくれていましたっけ。
お隣のグラウンドで、倒壊した家の木材を集めてのたき火。火の粉が舞って、背中は寒かったです。でも、本当に助かりました。
ダウンジャケットの懐にさくらを入れて・・・。抱っこの嫌いなネコなのに、あの時ばかりはおとなしく抱かれていましたっけ。
あの夜は、持ち出していた牛乳も凍る夜でした。
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