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『私は幸せです』(2009年) [映画]

重い!!

かつて『レナードの朝』(1991年)や『es』(2002年)を観た時に匹敵するくらいの疲労感。
予備知識としては精神病棟が舞台であることと看護師さんとのちょっとした心の繋がり・・・といった程度でした。
例えば精神病棟が舞台でも『カッコーと巣の上で』(1975年)をつい思い浮かべてしまうのですが、方向性は全く別のものでした。

病棟に入院した青年・マンスの入院生活の描写とそれに至った原因である彼の日常の悲惨さと看護師・スギョンのこれまた大変な日常の3つのお話が交互に展開されていくのですが・・・救いようのない過酷さがたたみ掛けて来ます。

痴呆症の母の世話をしながら暮らしている地味な青年だったマンス。彼の兄は賭博にはまりたくさんの借金を残して自殺。全てが、マンスにのしかかって来て・・・ついには、彼の心が蝕まれて行きます。
看護師・スギョンは交際していた医師から捨てられ、休日にはがん末期の父の看護に追われ体力的にも金銭的にも疲労困憊の毎日。お金に追われることから発病したマンスは、紙切れに額面とサインを走り書きしたものを小切手と思いこみ、そんな彼女に渡します。


心を病むまでの日常があまりにも悲惨で不幸だったマンスにとっては、入院してからの日々が紙切れの小切手を書いていたとしても、幸せな時間だったのかもしれません。


病棟の仲間たちと楽しげに騒ぐ様子にはちょっとクスッと笑いたくなりますが、彼らの病のことを思うと軽々しく笑うことが憚られてしまいます。重なり合いながら進行していく3つのお話のどこを取っても、「過酷」さが突出してくるもので、本当にズシッと重さが半端ありません。
それにしても・・・目の光すら操って演じているヒョンビンは迫力の演技でした。
映画のエンディングでの、暗闇の中を進む儚げなバイクのヘッドライトの明かりが、これからのマンスを示唆しているように思えてなりませんでしたぁ~。
いやぁ~~!
疲れましたっ(汗)!
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