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『砲台島』(三咲光郎著) [本]

例の如く兄が「読め!」と、自分の荷物の中から取り出して・・・渡されました(笑)。
今回は
「まぁまぁ面白いかな~。」というのがその時の言葉。「あんまり面白くないけど・・・へへへ(笑)読め!」と言われることに比べるとまずまずの評価(笑)?
いつもながら、B型爆走中の兄はマイペースです。。。


別に時期を選んで読み始めた訳ではないのですが、丁度いろいろなメディアが戦争に目を向けるこの時期に読んでしまったもので、よりいっそう考えることが多くなってしまった作品でした。

終戦も近くなった昭和20年空襲も激しくなった和歌山を舞台に、戦時下の特例として若くして警察官となった瀬名青年が、捜査に関わることとなった事件。得体の知れない恐ろしさを感じる憲兵・渡里と行動を共にすることになりました。
憲兵隊、警察・・・軍、民間と、現在では考えられないルールが捜査を阻み、加えて空からの空襲が証拠や証人を焼きつくして行きます。
やっと、事件の核心に近づいた時には瀬名青年には召集令状、そして空襲・・・。


読み進む間ずっと感じていた違和感といいますか、釈然としないものがくすぶり続けていました。
何万何十万という人間が、消耗品のように亡くなっていった時代に、数人が殺害された事件をコツコツと調べ歩き召集前の貴重な時間を費やす青年の姿に、いったいこの時代の矛盾は何なんだろう?と、イライラ感すら覚えてしまいました。
物資の横流し組織の中で起こった仲間割れといった小さな世界の事件と、スパイ活動といった国家規模の事件が絡んだものですが、結構早い段階で大筋が見えてしまいました。
確かに「まぁまぁ面白い」お話だったようです(笑)。





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