『9・11 ユナイテッド93』 ジェレ・ロングマン著 [本]
読んでいて、かなり気分的にキツイ状態に陥ってしまいました。
2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件の一つ、ニューアーク空港発(サンフランシスコ行き)のユナイテッド93便がテロリスト4人によってハイジャックされ、世界貿易センタービルやペンタゴンと同じく自爆テロの道具として、恐らくワシントン(ホワイトハウス)を標的として飛行中、乗客・乗務員達が飛行機を奪還すべくコックピットに突入して、結果ペンシルベニア州シャンクスビルの埋め立てられた露天鉱に墜落した。という事件をレポートしたものです。
テロリスト4名・乗員乗客40名の顔写真があります。そして、一人一人の生い立ちや当時の生活、人となりを克明にレポし、どういういきさつで93便に搭乗することになったかが語られています。(日本の若者も一人含まれていました。)
読み進めていくうちに、これだけの人達が乗り合わせていたことが不思議に思えるほど、個性的で有能な人達ばかりなのです。救命士の資格を持っている人・飛行機の操縦が出来る人・元警察官・柔道のチャンピオンetc.全ての人達が、生きることにすごく前向きでした。
笑顔の顔写真を見ながらそれらを読んでいると、そこで命を断ち切られてしまったという理不尽さで胸がいっぱいになります。
機内からは何本もの電話が家族、その他にかけられています。機内の状況を伝えた後、他で起こっているテロの情報を得たことで、ハイジャック犯達の目的を推察してその後の彼等の行動を決めたのでしょう。
背面飛行で地上に激突していったという93便の機内では、最後まで生きる戦いが続けられていたようです。
そして、「いかにも、アメリカ的だなぁ~。」と思いました。もしも、日本人の多く乗っている飛行機がこんな状況に遭遇したとしたら・・・果たして日本人はどんな行動に出るのかなぁ?と、考えてしまいました。
コメント 0