『「昭和」という国家』司馬遼太郎著 [本]
昨夜でしたか、NHKの歴史番組でベトナム戦争はジャーナリズムの力によって、アメリカの反戦運動が盛り上がり撤退に導かれたといった内容の放送がありました。
その中で、あのアメリカ軍でさえ自分達に都合の悪い情報は隠蔽され、また捻じ曲げられて本国の国民に報道されていたといった内容に驚きました。結局は、どこの国も戦争となると同じなのでしょうね~。日本の太平洋戦争時の大本営発表もしかりでしたから。
この本は、司馬氏の学徒動員といった形で召集され一時は満州に渡ったものの、最終的には本土防衛という名目で国内に呼び戻された時点で迎えた終戦、
『なんとくだらないことをしてきた国に生まれたのだろう。』
という、大きなショックが全ての発端となったお話です。
その「くだらないこと」の数々が語られてゆきます。
維新の動乱を乗り越えて、何とか誕生した「明治」という急ごしらえの近代国家をいかに諸外国に立ち入られること無く維持していくかに一生懸命だった人達が姿を消し、世代が変わります。
ギリギリのところで、何とか拾った日露戦争の一応の勝利については、その裏側の真実が国民に正しく伝わることなく、おかしな方向に舵がとられて行きます。
そんないろんな要素が積み重なって、昭和初年から終戦までの信じられないようなとんでもない「日本」に「日本」が占領されてしまったというお話でした。
歴史の授業ではいつも時間が足りなくなって駆け足で終わってしまうけれども、本当は一番身近な時代のことを知ることができました。
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