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『天空の蜂』(東野圭吾 著) [本]

昨年夏に映画化のお話を耳にして、一応予備知識として読んでおかねば!と、思っていました。
東野作品はあまりご縁が無くて、『変身』以来かもしれません・・・。

東日本大震災による福島県の原発事故。そんなことが起こるとは思いもよらなかった1995年に発行された小説です。
ザックリ言えば、いわゆるテロリストによって、自衛隊に納品される予定だった大型ヘリがリモコン操作によって奪われ、原発上空でホバリング。要求をのまなければ、そのまま墜落させると脅迫されるというお話です。

枝葉として、序盤は偶然その機体に少年が乗り込んでしまっていた為その救出エピソードや、原発反対派のお話、原発労働者のお話・・・そんなこんなが諸々絡んでいます。
そして、一番ページを割かれているのは、原発のメカニック的なことの説明かもしれませんでした。
安全神話の裏側を覗き見るような個所も点在。
原発事故以前に描かれたものとしては出来る限りのアプローチだったのかもしれませんが、未だに終息の全く見えない現状を思うと、読んでいて虚しさが広がって来ました。

犯人像も今一つ把握できないのは私の読解力不足でしょうか?動機も納得出来るほどのものでは無くて、どうも消化不良気味(笑)。

近々公開予定らしい映画ですが、この原作をどんな形にして現代に描き出してくれるのでしょうか?それが、一番楽しみです。


天空の蜂 (講談社文庫)

天空の蜂 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/11/13
  • メディア: 文庫



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