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『アルジャーノンに花束を』(於:神戸オリエンタル劇場) [独り言]

キャラメルボックスでの舞台化です♪
ダニエル・キイスの原作は随分前に読んだことがありますし、映画も観た記憶があります。
もちろん2002年にユウスケサンタマリアさん主演でのドラマも観ていましたっけ・・・。

ストーリーは周知の如くです。

パン屋で働く知的障害のある青年チャーリーが、半ば人体実験のような形で脳手術を受けて劇的な学習能力の発達をみます。
それがあまりに急激過ぎた為か?情緒面が伴わず周囲の人達との軋轢がどんどんと膨れ上り、加えて今まで気付かずに過ごしてきた過去の出来事の裏側すらも見えてしまいました。それは彼にとって心の痛手となるばかりでした。
夢見ていた幸せはそこには無かったのです。

やがて、動物実験として一足先に同じ手術を受けていたネズミのアルジャーノンに異常行動が見られるようになりそれはチャーリーの未来を示唆するものでもありました。
そして、アルジャーノンは回復することもなく死を迎えてしまいます。

知能の発達ピークを過ぎたチャーリーは徐々に元の彼に戻って行きます。
今の内にと訪ねた家族にも暖かく迎えられることもなく失意の彼を昔のまま迎えてくれたのは、かつての職場のパン屋でした。

チャーリーの日記で進められて来た物語の最後は
「うらにわにあるアルジャーノンのおはかにはなたばをあげてください」
でした。



途中休憩無しで、全編をダァ~~!!と上演の舞台でして、ストーリーも決して軽いものでは無いこともあって観終わった時にはかなりの疲労感といいますか、ズシッとくるものがありました。
チャーリーの日記を朗読することでストーリーの展開や場の説明として、分かりやすい舞台だったと思います。
キャラメルボックスの舞台としてはダンスシーンがあまり無くて、笑ってしまう場面も少なかったですね。(お話の内容が笑えるものではありませんしねぇ~)
ラストではパン屋の仲間達に再び暖かく迎えられて「よかったね~」だったので救われるところもありましたが、彼の家族のどの場面でも流れる冷たい感情に苛立ちを覚えて仕方ありませんでした。特にヒステリックにわめき回る母親・・・判る部分も当然ありますが、あまりに過激でした(笑)。
でもやっぱりキャラメルボックスの舞台は安定のクオリティーで見せて下さいますね♪

一度は回復を見てやがてまた元の姿に戻っていくチャーリーを見ながら映画『レナードの朝』(1991年)のレナードをついつい思い出してしまいました。
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