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池田屋の変 [本]

今までどれだけの本(小説)を読んできたかわかりませんが、読後何十年経っても頭の中に焼きついて忘れられない場面とかフレーズが幾つかあるものです。
その中の一つが、

池田屋の変を前にして、枡屋喜衛門(実は古高俊太郎)の店を見張る沖田の様子を見に寄った土方と沖田の会話。見張りという任務にうんざりの沖田が長州系浪士の企みについて、こぼし始めます。
『「・・・(略)・・・大体、できることじゃないですよ。そんな途方もないことを考えるというのが、そもそも。ふしぎなあたまをもっている。土方さん、ほんとうは、枡屋、狂人じゃないですか」
「正気だろう。血気の人間があつまって一つの空想を何百日も議論しあっていると、それが空想でなくなって、討幕なんぞ、今日にもあすにも出来あがる気になってくるものだ」
「つまり、狂人になるわけでしょう、集団的に。妙なものだな」
「妙なものだ。が、集団が狂人の相をおびてくると、何を仕出かすかわからない」』(『燃えよ剣』司馬遼太郎著・文藝春秋)

ここで語られる土方の言葉に、結構今の世の中でもピッタリとあてはまるような事象があって、ハッとすることがあります。社会的に大きな事件であっても、また身の回りの小さな出来事にすぎないものであっても・・・(笑)。

そして今日は「池田屋の変」の日です。もちろん旧暦のお話ですから、実際は祇園祭の宵宵山、今の7月半ばのことですが、日にちとしては元治元年(1864年)6月5日でした。
新選組を扱ったドラマ・映画でのメインイベントとして、数多く映像化されてきましたけれど、近藤達が先に少数で踏み込む形となってしまった池田屋に、別働隊の土方がやっと駆けつけて
「待たせたなっ!」と一言。あのNHK大河『新選組!』のシーンは、私の中では名場面として残っています。

燃えよ剣

燃えよ剣

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1998/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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コメント 2

taiga-no-hitorigoto

こんばんは。
池田屋と聞くと、蒸し暑い祇園さんの頃と、記憶していましたが。
そうですよね、旧暦ですものね。
テレビで祇園祭を放送されて、あぁもうそんな時期なんだって思う位しか、
感じなくなっています。
どうしても、祇園祭の頃は、京都には行けませんもの。
日々の生活に追われ…何だか、悲しくなってきました。
by taiga-no-hitorigoto (2006-06-06 00:13) 

shinobirika

>大河さん
いらっしゃいまし。祇園祭の頃の京都の混雑ぶりは、「行く!」という気力を萎えさせるものがあります(笑)。比較的近場の私でも・・・行きません!
一度だけ祇園祭の宵宵山に壬生寺から三条池田屋跡まで歩いて行く行列に参加したことがあります(恥)。先頭はもちろん隊服姿の方々でした(笑)。かなり、きつかったです。。。昔も今もアホですなぁ~(しみじみ)。
by shinobirika (2006-06-06 12:47) 

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